こんにちはプロマラソンランナー原田拓です。
フルマラソン本番が近づくにつれ、不安がどんどん大きくなっている初心者の方は、きっと多いと思います。
私のランニングスクールにも、本番前になると沢山の初心者の方が不安を解消しに来られます。
フルマラソン42.195㎞を走るなんて、非日常的すぎるて「こんな私が42.195㎞走ったらどうなっちゃうんだろう?何が起きるんだろう」とそう簡単にイメージできないですよね!わかります。
ここであえて、お伝えしますが、マラソンというスポーツは「きつくて、長いもの」です。
冒頭から、しかも改めてはっきりお伝えするのは、この記事を最後まで読んで頂けないのではと、ちょっぴり気が引けますが、、、
マラソンとは42.195㎞を走り続けるので、あえて言いますが、長いし、脚がつらくなったり、もしかしたら痛くなったり・・でも、フルマラソンってそういうものなんです。あえて言ってますよ。
「つらくならないようにしなきゃいけない」とか、「きついのかなー」とか、思い悩むのはやめましょう。
マラソンはきついものなんだ!それをしに行くんだと思った方が、精神的に楽なのです。
でも、だからと言って準備をしないでスタートラインに立つと、本番はもっとひどい目にあいます。
「フルマラソン後半で、脚が痛くて引きずりながら歩いて回収バスに乗りました」
「低体温症になってしまい泣きながら走ってました」
こういう体験をしてしまうかもしれません。
この記事では、本当の意味でツライ経験をする人が出ないように、初めてフルマラソンを走る初心者のために「役立つ対策とコツ」をお伝えします。
対策は、1か月前から行うことが重要です。
え?そんな早くから?!と不思議に思うかもしれませんが、どうかこのまま読み進んでください。
私が言っている理由をきっとご理解頂けると思います。
この内容は、「フルマラソンを一度走ったことがあるけど、打ちのめされてしまい、今度出場するのが怖くなってしまった」という、ほぼ初心者の方にもきっとお役に立てると思いますよ!イタイ想いをした方もぜひ、参考にしてみてください。
この記事の監修者はランニングスクールFROG (フロッグ) の代表である原田拓です。
箱根駅伝・実業団で活躍し、2012年ロンドン五輪男子マラソン代表選手のトレーニングパートナーを務め、2013年にプロランナーとして独立。
2012、2014年JALホノルルマラソン日本人1位、2015年には公認トレーナーに就任。日本からホノルルマラソンへチャレンジする方々をアロハの精神でサポートしています。
自身が代表を務めるランニングスクールの受講生はのべ 6,000名超えの日本でも最大のランニングスクールです。
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この記事のもくじ
フルマラソン本番の1か月前から行うべき4つのポイント
まず絶対に覚えておいて欲しいことを1つだけお伝えします。
ぜひ、すぐにでも生活リズムを「朝型」に変えておきましょう。
フルマラソンの大会はほとんどが、スタートは朝。朝9時前後です。
朝9時からフルマラソンを走るためには、前もって会場に居なきゃいけませんし、受付をしたり荷物を預けたり、トイレに行ったり、準備体操したり、朝食だってしっかり食べておかなければなりません。
普段朝7時に起きて8時に出勤している生活習慣のような方が、急にその日だけ朝早く起きて、朝9時からフルマラソンを走るには、そもそもカラダに無理があります。
カラダのリズムは、そうすぐに変わりません。
1か月前から、朝4時に起きて朝ランニングをする。
朝食をしっかり食べるなど、生活リズムを朝方に切り替えましょう!
相談の多い「朝食」について
当日の朝は何を食べる?
よくある質問です。
私はいつも「普段通りでOKです」とお伝えしています。
どうして普段通りをお勧めするかというと、いつもパンしか食べてない方が、突然お米を食べよう!うどんを食べよう!とすると、普段朝からあまり食べ慣れないものを食べると内臓はびっくりしてしまいます。
ネット検索するとよく「マラソンの数日前はカーボローディング(炭水化物を沢山取る方法)が必要!」という情報や、マラソン選手が白いもの(これも炭水化物)を食べようと語っていることがあります。
もちろんマラソン選手のように、普段よく走り、よく食べている人にとっては、一般的な方より何十倍も内臓は強いですし、エネルギーをため込めます。
ですが、普段あまり立て続けに、量も沢山食べ慣れてない、しかもフルマラソン初心者の方がいきなり偏って食べると、やっぱり内臓がびっくりしてしまい、体調不良の原因になります。
ですので、普段通りの朝食をお勧めしています。
とはいえ、「パンだけ」「普段朝はコーヒーだけ・・・」という方は、逆に普段通りではダメです。
こちらの方も、「食べなきゃもたないから」と当日の朝急に沢山食べると内臓がびっくりしてしまいます。
消化不良を起こして、気持ち悪くて走れないかもしれませんよ!
いつも朝食を食べない方
こういう方は、もしかすると夜ご飯を遅い時間に食べていたり、量が多いのかもしれません。
夜ご飯の量を少し減らすなどして、朝お腹が空くサイクルを作りましょう。
そして1ヶ月前から、エネルギー源になるバランスの良い朝食をしっかり食べる練習が必要です。
これからの1か月間で少しずつで構わないので、朝ご飯の量を増やす工夫をしましょう。
朝食は何時に食べる?
スタート時間の3時間前までに【完食】しておきましょう。
マラソンがスタートする時には、胃には何も無く消化された状態で、かつエネルギーになっていて欲しいからです。
朝9時スタートのマラソン大会だったら、朝6時には【完食】しておきましょう。
しかし朝5時50分に起きて、急いで食べる!では、ダメです。
これも内臓に負担がかかります。
当日の朝ご飯は、最低でも30分は時間をかけてゆっくり食べましょう。
私は毎年JALホノルルマラソンに出場していますが、この大会のスタートは朝5時です。(日本の深夜0時)
ハワイは物価が高くて、プレートランチで日本円の2000円くらいになります。ドリンクもつかないでこの値段ですよ(笑)
せっかくハワイに来たからと外食ばかりしていたら、いくらあっても足りませんね。
私がいつも取る方法は、「ハッピーアワー作戦」です。
日本の飲食店にもあるサービスですが、夕方15時や16時頃のお客様が少ない時間帯に、ビールが半額になったり、食事を安く提供しています。
私はハッピーアワーで夕食を早めに済ませて、早く寝て、早朝起きてトレーニング
朝は、しっかり食べています。
見落としがちな「トイレ問題」
マラソン大会は、通常5~6時間走り続けるものなので、途中トイレに行く可能性が非常に高いです。
5時間でゴールするなら、朝9時にスタートしたら、ゴールは14時頃ですね。
そうすると、9時から14時までトイレに行かない方がタイムは速くゴールできます。
マラソン大会時の仮設トイレは、基本的にランナーが行列を作って並んでいます。
絶対混んでいるので、1回のトイレに約5分は必要です。5分ロスするということです。
マラソン大会は、ゴールまで関門が数か所設置されています。
関門閉鎖時間までに通過できないと、そこで大会は終了・・・です。
できるだけトイレに行く回数は減らしたいです。
とはいえ、マラソンの時トイレ行きたくなるものなのです。
冗談のようですが、高速道路の渋滞と同じ仕組みです。
全然行きたくなかったのに「ここでトイレ行っておかないとそのあと行けないよ」と言われると、この先行けないかもしれない・・・と、急にトイレに行きたくなった経験はありませんか?
あなたは普段、9時~14時まで何回トイレに行ってるでしょうか??
私は【普段何回トイレに行っているのか】を、一度観察しておきましょう。
そして、9時~14時の間はトイレに行けない時間なんだと思ってこれから1か月過ごしてみましょう。
渋滞の高速道路のトイレという風には、もう本番ではならないでしょう。
内臓に負担をかけない
内臓は、私たちのカラダの重要な役割を行っています。
食事を分解し、カラダを動かすためのエネルギーを作り出す。
汗を出して体から熱を出す
ミネラルを取り入れて足がつらないようにする
カラダが疲れていると、この内臓の処理能力が落ちてしまいます。
北海道にせっかく来たからと前日は海鮮を食べて、、、食べ過ぎた胃はおもいし、、、あたってお腹をこわした・・なんて起きてしまうこともあります。
前日もちろん、大会までの1か月間は、内臓の状態がいい状態を心がけましょう。
筋肉だって、脳だってすっきりしている方がパフォーマンスが上がります。
内臓のことは、ほったらかしの方は非常に多いです。
【内臓疲労を貯めない工夫】
夕食を食べてすぐ寝ない(4時間空る)
夜ごはんを軽めにする
香辛料の強いカレーなど刺激物は控える
アルコールを飲み過ぎない
内臓疲労は自分で思っている以上に蓄積しているものです。
1か月前から、内臓疲労を貯めない生活を送りましょう。
タイムスケジュールを体感しておく
マラソン大会の当日は、普段の生活サイクルと違います。
マラソン初心者の方はぜひ、リハーサルをすることをお勧めします。
起床はスタートの5時間前がお勧めです。
9時スタートなら朝4時に起きなければなりません。
1か月前から、少しずつ4時起きに変えて行きましょう。
朝ご飯は3時間前に完食しましょう。
朝ごはんは5時30分ごろ食べ出し、6時には食べ終わっておきましょう。
スタート90分前までには、大会会場に到着しておきましょう。
なぜかというと、数万人が出場する大会になると、混雑して地下鉄にスムーズに乗れなかったりします。
そうすると変に焦るし、スタート前バタバタだった・・・なんてことも結構あります。
家をでる時間は90分前に到着すると考えて、逆算して家を出ましょう。
会場についてすること(1時間の間)
・受付をする(無い場合もあります)
・荷物を預ける
・トイレに行く
・準備体操やウォーミングアップをする
整列はスタートの30分~45分前です。
さまざまな気温の体感を記憶しよう
2020年の1月2月は、例年になく暖冬で4月の中旬ごろの気温になる日も少なくありませんでした。
この季節は、気温が上がったり下がったりを繰り返します。
これから1か月後にマラソン本番を迎える方は、当日の気温や天気は気になるものでしょう
本番を迎えるまでの1か月間に準備すること4つ目は「気温感覚」を身に付けましょう。
「朝の最低気温は8度です」「最高気温は18度です」
と、言われてどんなウエアを着たらいいかイメージができますか?
今、イメージができない人は、ウエア選びを失敗してしまうかもしれませんよ。
大会までに出来るようにしておきましょう。
朝、体感チェックをしましょう。
1.風があるか無いか
2.曇っている時の12度と晴れている時の12度の違い
気温の数字だけを追うと失敗します。
天気予報で今の気温を感じてみるのです。
これなら、アームウォーマーに短パン履けばOKだなとか、イメージしてみましょう。
例えば【朝10時13度風がない】日に外をランニングして、
「あぁこんなに暖かいのか」
「でも走った後10分後に冷えるなぁ」
など、気温に対する自分のカラダ感覚を覚えておきましょう。
当日どんな天気になってもあたふたしないコツは、これから1か月間の気温と体感を記憶しておくことです!!
ここまでの内容を、ノートに書いて「これをやればいいだ!」とやり過ごしてしまうと、
体感してないので、イメージがわきません。
ぜひ週末を使って、何回か試してみましょう。
朝4時に起きた時に「眠いな」「お腹すいてないな」など新しい気づきがあるはずです。
【生活サイクルを朝型にする】
ポイント①朝食をしっかり食べる
ポイント②トイレ問題を解決しておく
ポイント③内臓疲労を貯めない
ポイント④気温を体感する
当日のことは頭入れているけど、1か月前からやれる準備に頭が行っていない方は非常に多いです。
「食事とか、トイレが不安なんです。どうすればいいですか?」と、マラソン大会の1週間前に相談されることがあります。
そんな時私は、「いつも通りにしてください」と話します。なぜかというと、もう遅いのです。
そんな急にカラダはマラソン用に対応できません。
急に1週間前から生活を変えても、返って無理がきてしまいます。「仕方ありません、当日体調が良いことだけを心掛けて過ごしましょう」としか言えません。
まだ、1か月あるので、カラダは対応できます。
ぜひ、1か月前から朝型の生活に変え、この4つの対策を行いましょう。
フルマラソン当日の服装(ウェア)について
初めてフルマラソンを走る方は、どんな服装でスタートラインに立ったらいいのか?気になるところだと思います。
普段のトレーニング時と違って、フルマラソンは長時間走ります。
服装のチョイスを間違えると、レース中思ったように走れなかったり、体調を崩してしまう事もあります。
以下のことを読み、間違えずに準備しましょう。
寒くても着こまない
ウエアで失敗したランナーさんは、スタート時点の気温にウエアを合わせて着こんで失敗しています。
・沢山着こんでいる方
・インナーに長袖を着ている方
けっこうキケンです。
ウエアは、一番気温が高くなる時間帯に合わせて選びましょう。
朝から気温が上がらない、風が強いと予測される日はスタート時点に合わせてもOKです。
タイツ(レギンス)を履いて走る方も、特に女性は非常に多いですが、タイツが暑くてじゃまになったり、脚を締め付けることがあります。
私は基本的には、パフォーマンスをアップさせるタイツ以外は、履かなくて良いと考えます。
冷え性がある、日焼けしたくない、など感覚も様々ですので、無理にとは言いません。
何パターンか用意する
当日のウエアは1パターンを用意するのではなく何パターンか用意しておきましょう。
寒くなったら・・・
暑くなったら・・・
風が強かったら・・
雨が降ったら・・・
1パターンしか準備していないと、それでいくしかなくなりますが、細かく準備していた方が、調整に幅が持てます。
基本ウエアは2パターン
一番寒い日の服装
写真
Tシャツ
アームウォーマー
短パン
タイツ
レインコート(100円ショップでOK)
レインコートは、コンビニで売っているような厚地ではなく、100円ショップで十分です。
厚地のレインコートにすると、ゼッケンが見えなくなってしまいます。
マラソン大会は、ゼッケンが付いていないと走行できないルールです。
写真のように、ポリ袋でも代用できます。
その際は、写真のように首・腕を出せるようハサミで切っておきましょう。
ポイントは、つまようじで穴を開けて風通しを良くしておきましょう。
穴を開けていないと、熱が籠ってしまい、余計な汗もかき、その汗で濡れてしまいます。
そして特に制限時間をいっぱいに使った完走目的の方は、レインコートはすぐに捨てずに腰に巻き付けるなど持って走った方が得策です。
なぜかというと、レース後半で汗冷え、ビル風で寒くなることも考えられます。
晴れている日の服装
晴れている日は、ノースリーブの方が肩回りがスムーズですし、脇に汗が籠らないためお勧めです。
着なれない方、二の腕を出したくない方もいらっしゃると思いますので、走りやすい方を選びましょう。
ノースリーブ(Tシャツ)
アームウォーマー
短パン
靴下(ゲーターでもOK)
*ゲーターとはふくらはぎをサポートする短いタイツです。
晴れ予想の日でも、冬の朝は放射冷却で肌寒いです。
マラソンに冷えは大敵です。
冷えると、トイレに行きたくなったり、筋肉が固まり過ぎてしまったり停滞温床になったりと良いことがありません。
スタートするまでレインコートを着ることをお勧めします。
ウエアは事前に着て走る
当日のウエアは、当日までに大事に保管しておく・・・のではなく、ぜひ2.3度着てランニングしましょう。
着ただけではわからなかったけど、「走ってみると脇が擦れる」「意外と暑い」など、不具合もあるかもしれません。
着なれない服装で走らないようにしましょう。
靴下(ソックス)を甘く考えない
良いウエア、良いランニングシューズなのに、普通の靴下を履いて走っている方がいらっしゃいます。
マメができる理由の1つは、【靴下】です。
普通の靴下は、全体的に緩い作りをしています。
そのため、脚が靴下の中で揺れ摩擦してマメが出来ます。
私も経験がありますが、走りながら「あー脚の裏におっきなマメができたなぁ」と思って、靴下を脱いでみると、意外と小さかったりします。それくらいマメって、嫌なものです。
ランニング用の靴下が、各メーカーから発売されています。
脚の裏に滑り止めがついており、土踏まずがしっかりホールドされるので、靴下の中で足が動かず、靴の中で、脚が滑らずギュッと踏み込めます。
お薦めは【Tabio タビオ】です。
私は5本指タイプを使っていますが、いろんなタイプがあります。
人のおすすめでも、自分には合わないこともあります、自分に合う靴下を探してみましょう。
靴(ランニングシューズ)は履きなれたものを
ランニングシューズは、履きなれた靴を選びましょう。
ナイキのヴェイパーやホカなど人気のカーボンシューズが各シューズ会社が開発し、選り取りみどりになって嬉しい限りです。
このシューズを買えばマラソン出走権が付いてくるなど、様々な購買サービスがありますが、それが自分の脚に合っていれば最高ですが、なかなかそうはいかないものです。
また、反対に履きすぎて足の裏の滑り止めが削れてしまっているような状態も、本番はお勧めできません。
カラダも体調を整える必要があるように、シューズの状態も整えましょう。
新しいランニングシューズは、ぜひ最低1か月はトレーニングでも履いて、慣らしておきましょう。
ワセリンでマメ対策
先ほど靴下がマメを作る原因にもなるという話をしましたが、マメや擦れを予防するには【ワセリン】がお勧めです。
ワセリンは、ドラッグストアで購入することができます。
脚の指と指の間、脇、男性なら乳首(男性用の乳首シールも販売されています)過去に擦れたという方はそこに塗っておいた方が最善です。
少し擦れただけなのに、汗も染みるし、めちゃくちゃ痛い・・・なんてこと、あります。
そして、痛くなってから塗っても遅いのです。
ワセリンを忘れてしまった!そんな時は「リップクリーム」で代用できます。覚えておきましょう。
サングラスとキャップについて
・周りが持っている
・あった方がいいと読んだ
ということで、前日直前に購入する方も居ます。
ですが、私はあまりお勧めしません。
普段かけ慣れていないと、うっとしいと感じたり、鼻の部分がずれたり、汗ですべったり、暗すぎて転んだりと慣れていないとサングラスで問題を感じます。
サングラスは、目から入る紫外線を防止したり、視野が暗くなるので、集中力も増します。
付けようと考えている方は、早めに購入し、普段のランニングの時付けて慣らしましょう。
汗でサングラスがどのくらい動くのか?実際付けてみないと分からないものです。
キャップは冬のマラソン大会は、絶対に必要とは言い切れませんが、日差しや汗をカバーできます。
サングラスと同じように当日突然被るのではなく、普段から付けてランニングして慣らしましょう。
大会当日の過ごし方
マラソン大会当日のタイムスケジュールを簡単に説明します。
起床時間
大会スタート時間の【5時間前】には起床しましょう。
朝9時スタートなら、起床は朝4時です。
ストレッチをしたり、可能なら外を散歩しましょう。
寒い時は、お風呂場で足を温めるだけでも身体がほぐれます。
入浴は、カラダがリラックスしすぎることがあるので、軽く済ませるか足湯くらいにしましょう。
朝食時間
朝食は、スタート時間の【3時間前までに完食】しておきましょう。
食事の内容は普段通りがベストです。
慣れていない食べ物は、内臓に負担がかかります。
「緊張して食欲がないんです」という方は、ウィダーインゼリーのようなものを食べましょう。
ただし、消化が早いので3時間前に食べてしまわず、スタート2時間前に取り、食べてすぐエネルギーになるバナナも食べましょう。
ウエアとゼッケンは自宅で
自宅を出るときには、走るウエアを着ておきましょう。
マラソン会場には、着替えが出来る場所がないかもしれません。
冬場は寒いので、上着等を上に着こめば大丈夫です。
現地で、すぐ脱げる状態にしておきましょう。
また、ゼッケンを事前に受け取れていたら、自宅でウエアに付けて着ておきましょう。
会場で付けても良いのですが、ゼッケン留めのボタンや安全ピンを忘れてしまうこともあります。
到着して、準備する時間や場所があるかどうかも、行ってみないとわかりません。
できるだけ、現地でバタバタしないよう準備しましょう。
出発時間と到着時間
会場へは、90分前には到着するようにしましょう。
出発は逆算して、家を出る時間を決めましょう。
会場に付いたら行う事
・受付(無い大会もあります)
・荷物預け
・トイレ
・準備体操とウォーミングアップ
トイレがやはり並びます。
会場に近ければ近いほど、そのトイレが混みますので、事前にどこにトイレがあるのか把握しておくことをお勧めします。
大型マラソンや、名古屋ウィメンズマラソンなど女性の多い大会は、トイレが混みます。
こういう場合は、到着したら最初にトイレを済ませるのが賢明です。
そして関節をほぐすような準備体操をしましょう。
私のスクールで行っている準備体操がお勧めです。
整列
開会式がある大会は、整列時間が早いです。
通常30分~45分前にブロックごとに並びます。
大きいマラソン大会はブロックが決まっています。自分のブロックに並びましょう。
並んでいる間も、できるだけカラダが固まらないように、【足上げ】をしたり、【屈伸】【伸脚】などをしてカラダを動かし続けましょう。
カッパかレインコートを着てスタートを待ちましょう。
要らないなと思ったら、スタッフの方が回収する大会もありますし、走り出してエイドステーションや誘導するスタッフの方に渡して捨ててもらうこともできます。
スタート
スタートは、大抵テンションが上がっているので、ペースが速くなりがちです。
周りのランナーのモチベーションはとても高くアゲアゲ状態です(笑)
そんなに速く走ってないと思っても、時計をみたら、いつもより速かったりすることは良くあります。
そのまま行くと、早い段階で脚が疲労してしまい、後半の失速を招きがちです。
大会の雰囲気に飲まれずに、自分が決めたペースで走りだしましょう。
補給食(エイド)について
フルマラソンは4時間、5時間走り続けるスポーツです。
朝食で取ったエネルギーだけではゴールまではもたないです。20㎞くらいまででしょうか。
そのため、走りながら栄養を取る必要があります。
しかし、20㎞くらいまでしかもたないからと聴いて、20㎞地点で取っていても、それは遅いのです。
食べて消化して、エネルギーになる時間を計算して、前もって取る必要があります。
20㎞地点のためなら、10㎞~15㎞地点で1回目を取ります
30~40㎞地点のためなら、20~30㎞地点で2回目を取ります
3個くらい用意して走ると良いかと思います。
エイドは小さいジェルや羊羹が多いです。
スポーツショップで購入できますし、ネット検索で【マラソン 補給/エイド】と検索すると様々な商品が出てきます。
補給食(エイド)は、基本的には何でもOKです。
各種マラソン大会の規模にもよりますが、エイドステーションが設けられています。
名古屋ウィメンズマラソンなら、名古屋名物の「ういろう」やスティックパンや、きのこの山など盛りだくさん用意されています。
ボランティアの私設エイドステーションを設けて応援している人達も沢山いるでしょう。
脚がよくつってしまう人は、ミネラル分の多いものを取った方がいいですが、単にカラダを動かし続けるエネルギーがあれば、カラダは頑張れますので、こだわる必要はありません。
私の持論ですが成分というより、私は【味】が大切だと考えます。
腰にベルトやポシェットを付けて走る方が多いと思いますが、長い時間腰にあると、実は温められており、食べる時にはぬるい状態になっています。
この時の味が、好きがどうか?です。
大会本番で、食べてみて「まずい!」となると、テンションもダダ下がりです。
一度、一番バッドコンディションな状態で試してみましょう。(ぬるま湯につけて食べてみるなど)
自分が一番おいしい!と感じる補給食選びのため、何度か走りながら食べてみるなど、試してみましょう。
ゴールのアドバイス
ゴールは、一番感動するシーンです。
がんばって42.195km走ってきて、最後の一番良い瞬間です。
思いっきり、手を広げて真ん中でゴールを噛み締めましょう!
大型のマラソン大会は、コース上に写真撮影スポットが登場して、走っている写真を撮影して、それを販売しています。
そのようなサービスを取り入れている場合、ゴール地点は最高の写真スポットです。
特に初めてのマラソン大会のゴール写真となると、一番記念になります。
先ほど【真ん中】で手を広げると言ったのは、写真にきれいに映るコツです。
プロランナーになったつもりで、手を広げて笑顔でゴールしましょう!
FAQ①音楽を聴きながら走ってもOK?
普段、ジョギング中に音楽を聴いている人もいらっしゃるかと思います。
私もランニングコースで長い距離を走る際は、音楽を聴くこともあります。
ですが、マラソン大会本番で、耳をふさいでしまうのはとても危険です。
人は情報の55%を耳で把握しているとも言われています。
特に、路上やマラソン大会では、周りの音が聞こえないととても危険です。
マラソン大会では、走力が様々な方が一度にスタートするため、後ろから抜かれることも多くあります。
普通に走っているだけで、ぶつかってしまうこともあります。
また、レース中体調がわるくなった方を救助するため、救急車が走る事があります。
マラソン大会は、道路を通行止めにして行うことも多いため、その場合マラソンコースを救急車が走ることもあります。
耳をふさいで、救急車の妨げになっては大問題です。
大会の際は、音楽を聴かずに走る事をお勧めします。
フルマラソン当日どう走ったら?
フルマラソンを5時間で完走しようと思うと、1㎞の平均ペースは7分8秒です。
このままのペースでゴールできるとざっくり5時間です。
しかしここで、一番やってはいけないことは、決めた数字にとらわれてしまうことです。
大事なのは「感覚プラン」
フルマラソンを走ろうと思った時、なんとなくこんなイメージをしていませんか?
図:スタートからゴールまでだんだん悪くなるイメージ
実はこれは、絶対にうまく行きません。
天気で例えると、朝晴れていて、だんだん曇りになって、空が暗くなって、風が強くなってきて、小雨が降って・・・最終的にどしゃぶり
実はフルマラソンは、そんなイメージではいけません。
こんなイメージです。
朝、とても快晴・・・ふと目を閉じて、開けた瞬間外はどしゃ降り!
こんなイメージが、本当のフルマラソン。
「まだ余裕がある」「ある」ってだんだん、ダメになるのではなくて突然ダメになるんです。
大事なのは【余裕を感じ続ける】こと。
図
大切なことは【どこまで余裕な状態を継続できるか】
完走できない人というのは、失速する時間が速いのです。
自分の感覚プランを立てよう
フルマラソンを、4分割して考えてみましょう。
【見本】
10㎞ どんな感覚でいるべき?
鼻歌まじりで余裕がある
10㎞ 最初よりきついけどまだ余裕
10㎞ まだペースが上げられる
10km ゴールに向けてじわじわきつくなっていく
こんな風に、数字ではない【感覚】でプランを考えてみましょう。
数字よりも、優先順位はこの【感覚】です。
フルマラソンは、数字を優先にすると、必ず失敗します。
早めに「ウォーキング」という技を使う
5km走って3分歩く、これが1セットです。
5㎞のランニングと3分のウォーキング×8セット=フルマラソン
元気でまだ余裕がある状態から、早めにウォーキングを取り入れるとその時間に、結構回復できます。
ダメになってから、歩くと、もう走り出せないんです。
例えば、名古屋ウィメンズマラソンは制限時間7時間です。
6時間30分で走り切れば完走できます。
1㎞9分14秒ペースです。
このペースは、早歩きしている人のペース、または早歩きしている人に抜かれるくらいのペースです。
だいたい歩いている時の速度は、1㎞10~12分程度です。
完走できない方は、割と早めに余裕がなくなり、そのため後半に1㎞12~13分のペースをたっぷり使って歩いてしまうのです。
ただし、5㎞走って3分歩いていると、沿道から「もう歩いてるの??この人大丈夫?」的な目で見られますし、「もっと、がんばれ!」と声をかけられることがあります。
その声に負けて、恥ずかしいから走っちゃおう!と走ると、、、、後半痛い目見ますよ・・・・
このイメージの差が、完走できない原因です。
「今、元気に私を抜いていった人、後半全部抜いてるかも~」と先を見ながら計画を遂行しましょう。
このプランで走ったら、絶対に初心者でも制限時間内に完走できます!
FAQ②走っていて痛みが出た時の対処法は?
簡単です。歩いてください。
痛みがでてしまったら、走るのをやめるしかありません・・・
この痛みがでる理由は、同じ場所に一定の負荷がかかっているからです。
走るのをやめると、痛みは治まります。
痛みがでてから、そのまま走り続けるともっとダメです。
痛みというか、脚に違和感を感じたら、動きを変えましょう。
予感がしたところで、ウォーキングに変えるのです。
この質問の「計画通りに行かなかった時の対処法」とは、おそらく数字のプランなのだと思います。
感覚プランを無視して、走るからダメなのです。数字はその次です。
そして、おそらくその計画は1本しか考えていないと思います。
最低でも、3本立ておきましょう。
マラソンは、私も何度も走っていますが、計画通りに大成功するなんてことの方が少なく、修正が多いものです。
おそらく最初のプランも、【最高(こうなったらベスト)】なプランを作っていませんか?
理想プランからの下降修整は、気持ちも上がらず、上手くいかないのです。
最低これだけは守るぞ!というプランが第1プランです。
ハーフの距離までは、ここで十分です。
もう少し行けそうなら、第2プランへ
もう少し行けそうなら、第3プランへ
「これなら余裕でゴールできそうだな」という無欲のプランが上手く行くコツです。
FAQ③すぐに息が切れてしまう、呼吸法は?
初心者の方に、よく聴かれる質問です。
答えを言うと、基本的に【呼吸法はありません】
走るのが楽になる、魔法の呼吸法なんてないのです。
すぐに息切れしてしまった時、どうすればいいのか?と質問される方は、そもそも普段息が上がることに慣れていない人が多いです。
1週間に1回のゆっくりペースのジョギングでは、息が上がることはありません。
普段から、息を上げるトレーニングを増やしましょう。
ジョギングの最後の500mを呼吸ははぁはぁするけど、そのまま500mは走れるというスピードで走ります。
だらだら5㎞走るより、100mごとにジョギングと、呼吸がはぁはぁするスピードを交互に走るなど、呼吸を上げるトレーニングをしましょう。
呼吸を上げることに慣れると、呼吸のことが気にならなくなります。
1つだけ、呼吸法というか誰にでも当てはまることがあります。
苦しくなると、人は息を吸おうとします。
この時、吸うより【履く】ことを意識しましょう。
出さないと、空気は入ってきません。
コツは、強く短く「はっ、はっ、はっ」とはくことです。
息が苦しくなったら、吐く方を意識しましょう。
FAQ④フルマラソンに繋がる筋トレは?
ズバリ、【その場足踏み】です。
できれば、脚を上げた時に90度より、より狭くなるように脚を上げましょう。
なので、正しくは、足踏みというより【その場脚上げ】ですね(笑)
この筋トレは、脚を引き上げる腰のあたりにある【腸腰筋(ちょうようきん)】という筋肉に刺激が入ります。
マラソンは、この部分がきつくなって、脚が上がらなくなるのです。
それで、脚を上下ではなく前後に振りだして、後から膝にカラダが乗り込むので、膝が痛くなるのです。
最後まで脚を上げ下げし続けることができれば、痛み無く完走できます。
その場足上げを自宅で行いましょう。
最初は、2分間でもOKです。
慣れてきたら、そのまま10分間テレビを観ながら足上げををしましょう。
私は、脚を故障して走れない時、脚上げ2時間のトレーニングをしたりします。
その他、腹筋・スクワット何でも良いですが、1つだけ沢山やるのではなく、いろんな種目をバランス良く行うことが大切です。
私が製作した【走らなくてもフルマラソンが20分速くなるランニング筋トレ】のトレーニング動画がYouTubeで観ることができます。
初心者のあなたにも役に立ちます。ぜひ一緒にやりましょう!
最後に
いかがでしたか?
初めてのフルマラソンに挑戦させる方は、何を準備していいのかご理解いただけたでしょうか。
少しでも不安が取り除けていると嬉しいですs。
1ヶ月前からカラダをフルマラソンを走ることができるカラダに慣らしていきましょう。
さぁ、初めてのフルマラソンの大会が始まります。
沢山失敗してしまうことも、後悔も生まれるかもしれませんが、初めての体験を楽しみましょう。
失敗の数だけ、新しい成長と発見に出逢えます。
そして私もそうであるように、あなたの人生を豊かに導いてくれるでしょう。
フルマラソンの準備について、ご質問があればどうぞ私の「ランニングスクールフロッグ」へお問合せください。私も、スタッフもあなたの挑戦を心から応援しサポートいたします。
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